ランサムウェアを含めた近年のマルウェアは、その手口が非常に巧妙となっており、セキュリティ対策が万全だからといって必ずしも安全とは言えません。そしてもし感染してしまった場合には、被害を最小限に留めるためにも、迅速かつ適切な調査が望まれます。
このページでは、フォレンジック調査のなかでも「ランサムウェア・マルウェア感染調査」について、調査でできること、調査の方法・手順、調査が必要になるケース、実際の調査事例などを調べてまとめました。
「マルウェア」とは、デバイスに不利益をもたらす悪意あるソフトウェアやプログラムの総称ですが、マルウェアの一種である「ランサムウェア」は、数あるマルウェアのなかでもとくに悪質性が高いことで知られています。もしランサムウェアに感染してしまうと、パソコン内のデータが勝手に暗号化され、使えなくなります。
そしてその際、解除(復旧)のための身代金を要求されるのが特徴です。パソコンの操作が行えなくなるため、企業では業務を一時ストップしなければならず、甚大な被害が予想されます。なお、最近は、パソコンのみならずスマートフォンを狙ったランサムウェアも増えているようです。
ランサムウェア・マルウェア感染調査を実施することで、「本当にマルウェアに感染してしまったのか?」「感染しているなら、いつ、どのように感染してしまったのか?」「どのデータが被害に遭ったのか?」などを特定することができます。
ランサムウェア・マルウェアなどの
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ランサムウェア・マルウェア感染調査は、一般的に、以下のような流れで進められることが多いでしょう。
なお、具体的な調査の内容としては、ランサムウェアを用いたサイバー攻撃の経路の調査、情報流出の有無を特定する調査、被害の範囲を把握する調査などが挙げられます。
以下のような症状がある場合には、何らかのマルウェアに感染している可能性があり、ランサムウェア・マルウェア感染調査が実施されることも多いです。
など
こうした症状が現れている場合には、万が一感染している場合にその被害を最小限に抑えるためにも、一刻も早いランサムウェア・マルウェア感染調査をおすすめします。
では、実際にどのようなケースでランサムウェア・マルウェア感染調査が実施されているのでしょうか?ひとつ、調査事例を紹介します。
警察から「貴社のパソコンがマルウェアに感染している」との電話を受けたものの、対象のパソコンはアンチウイルスソフトのインストールもされており、マルウェアの検出も確認できていなかったという事例です。
この事例では、感染活動の経緯や感染の原因を特定するために、対象のパソコンに対するランサムウェア・マルウェア感染調査が実施されました。
※参照元:ネットエージェント株式会社(https://netagent.co.jp/product/forensic/case.html#case_02_2)
今回解説をした「ランサムウェア・マルウェア感染調査」の他にも、フォレンジック調査として実に様々な内容の調査が行われています。フォレンジック調査会社を選ぶ際には、よりニーズに合ったフォレンジック調査を実施してくれるところを選びましょう。
また、フォレンジック調査は豊富なノウハウと高い専門知識が求められるものです。業者を選ぶ際には、これまでの実績や専門性についてもよく比較検討することをおすすめします。また、サポート内容の充実さも重要です。
アスエイト・アドバイザリーでは、元サイバー捜査官をはじめ、CFE(公認不正検査士)やCISA(公認システム監査人)などの国際資格や専門的な資格を持つ専門家が在籍。確かな経験に基づくナレッジ分析と捜査機関でも採用されている先端ツールを生かし、ランサムウェア・マルウェア感染をはじめとした問題解決に取り組んでいます。
初動対応から調査、復旧支援、再発防止策のアドバイスまでワンストップでサポートすることが可能。相談内容に応じ、柔軟かつ多角的な対応に取り組んでいるフォレンジック調査会社です。
アスエイト・アドバイザリーの
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デジタルデータソリューションでは、ランサムウェア感染経路を特定するだけでなく、暗号化データの復号や再発防止策を踏まえたセキュリティコンサルティングまで総合的なサポートが可能な体制を整えています。
24時間365日依頼を受け付けており、法人であればWeb打ち合わせ・電話ヒアリング・現地への駆けつけ対応といった初動対応は無料(エリアによっては出張費が発生する場合あり)。ランサムウェアに特化した専門チームが対応し、蓄積された経験・ノウハウをもとにスピーディーな解決に取り組んでいます。
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2005年からフォレンジック調査に取り組んでいる老舗の調査会社です。ネットエージェントでは攻撃者視点や高い技術力を持った人材を積極的に採用しており、効果的なサイバー攻撃対策を提供しています。
ネットエージェントが提供しているフォレンジック調査は、マルウェア・ランサムウェア感染調査をはじめ、サイバー攻撃・標的型攻撃調査、情報漏えい検査、ハッキング・不正アクセス調査など。また、再感染の防止や社内のセキュリティ意識の向上を図りたい企業向けに、社内インシデント対応支援や事後対策コンサルティングも行なっています。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社では、ホワイトハッカーが多数在籍している強みを生かし、攻撃者目線からのフォレンジック調査やインシデント対応支援を行なっています。また、実在の人物や企業を騙るメールを媒介に感染活動を行なうマルウェア「Emotet」にも対応。そのほかにも、脆弱性診断や侵入テスト、セキュリティ対策強化など幅広いサービスを提供しており、ランサムウェア・マルウェア感染の再発防止に取り組めるサポート体制が整っています。
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ストーンビートセキュリティでは、依頼の最短翌日からランサムウェア・マルウェア感染の侵害調査を行なうことが可能。数多くのセキュリティインシデントに対応してきた経験豊富な技術者が在籍し、原因調査から復旧支援、再発防止策の立案、対策強化支援までサポート可能な体制が整っています。組織内のすべての端末を調査する全台調査も可能です。
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グローバルセキュリティエキスパートは、情報セキュリティ領域のコンサルティング事業を展開しているフォレンジック調査会社です。コンサルティング事業を通じてセキュリティ対策のノウハウを蓄積しており、専門エンジニアがマルウェア感染やサイバー攻撃などの初動対応・インシデントレスポンスをサポート。
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インフォセックは、セキュリティログ分析・解析による監視サービスを提供している会社です。セキュリティサービス・プロバイダーとしての15年以上の経験を強みにしており、情報セキュリティ・ITセキュリティ分野の国家資格や公的資格を持つ専門スタッフが企業に応じたリスクマネジメント強化サービスを提供。
フォレンジック調査では、ランサムウェア・マルウェア感染をはじめとしたセキュリティ事故の初動対応や調査・解析、報告、復旧支援および再発防止策のアドバイスなどを行なっています。目的や予算に応じて柔軟な対応が可能です。
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AOSデータのランサムウェア対策ソフトは複数の防御システムでランサムウェアの行動を事前に検知し、大切なデータを保護。ウィルス対策ソフトと競合せずに利用できるのが特徴で、既存のセキュリティの強化を叶えられます。
フォレンジック調査の目的別に、「専門性」「対応力」があって信頼できるパートナーを厳選紹介。依頼先をリサーチしている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
元従業員が会社のパソコンを売買するなどして約7千万円を不当に得ていた事例。疑わしい2名に対し、ヒアリングを実施しつつ会社・自宅の両パソコン、携帯電話、クラウド上データを調査。データ数が膨大であったものの、フォレンジックによる手法で信頼性を損なわずコストも抑えた調査を実現。
※参照元:アスエイト・アドバイザリー公式HP(https://asueito.com/advantage/#casestudy-section2)
テレワークという新たな課題に対して、ビジネスの安心・安全確保に取り組む必要があり導入。テレワークによって生じるリスクのマネジメントと、診断によってニューノーマルな働き方に貢献。
※参照元:セキュアワークス公式HP(https://www.secureworks.jp/resources/cs-bank-of-yokohama)
数百台の端末を対象に、解析ツールでの分析を行って攻撃ルートを可視化し、マルウェア感染の被害端末を特定。漏洩情報が売買されていないかも調査。その結果、情報漏洩が起きていた端末が判明し、ダークウェブにも情報が流れていたことが明らに。
※参照元:FRONTEO公式HP(https://legal.fronteo.com/casestudy/case2/)