フォレンジック調査とは、内部不正や情報漏えいなどが発生した際に、証拠となるファイルやメールを特定したり、サーバーログから不正アクセスの記録を見つけ出したりする調査です。フォレンジック調査で得られた証拠は、責任の所在や損害賠償の金額にも関わってくるため、万が一の場合に備えてフォレンジック調査の必要性・重要性が高まっています。
フォレンジック調査は専門の会社に外注するのが一般的ですが、自社内でフォレンジック調査を行える環境を実現したいと内製化を希望する会社も多く存在します。
フォレンジック内製化は不可能ではないものの、非常に難しいとされています。
フォレンジック内製化を実現するには、コンピュータやネットワークのセキュリティを脅かす攻撃手段や、それらの攻撃に対抗するための防御法・対処法に関する知識を持ったエンジニアがいることが大前提です。また、フォレンジック担当者には、セキュリティ知識だけでなく、法律の知識も求められます。なぜなら、フォレンジック調査で収集した情報を法的証拠として利用するには、法的手続きを行う必要があるためです。
フォレンジック調査に必要な高度な解析技術を持つエンジニアはいても、法律の知識まで押さえている人材はそう多くないため、フォレンジック内製化は非常に困難とされています。
フォレンジック内製化を実現するのはかなり難しい道のりではありますが、できた場合のメリットとしては「内部不正の抑止」と「対応の迅速化」の2つがあげられます。
企業の情報漏えいというと外部からのサイバー攻撃を思い浮かべますが、サイバー攻撃を原因とするのは全体の2割もありません。情報漏えいにつながった原因の過半数は、「メールの誤送信」「端末の紛失や置き忘れ」「管理ミス」「内部犯行」などの内部要因によるものです。
フォレンジック内製化によって活動状況を周知することにより、不正行為の抑止につながるメリットがあります。また、情報の取り扱いに注意する人がより増えることで、人的ミスの防止につながる効果も期待できるでしょう。
フォレンジック調査が必要になるのはインシデントなどが発生した緊急時ですが、外部の専門会社に調査を委託するとなると、実施までに時間がかかってしまう場合があります。内製化によってフォレンジック調査を自社で行える環境を整えておけば、外部に委託するよりも迅速かつ柔軟に取り組むことが可能です。
フォレンジック調査を内製化すれば、大きなメリットを得ることができます。ただ、今すぐに実現できるほど簡単なことではないため、フォレンジック調査を迅速に行う必要がある場合は外部の専門業者に委託するのが確実です。フォレンジック調査に精通している専門業者に依頼したほうがコストも比較的少なく、迅速に対応できます。
フォレンジック調査の目的別に、「専門性」「対応力」があって信頼できるパートナーを厳選紹介。依頼先をリサーチしている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
元従業員が会社のパソコンを売買するなどして約7千万円を不当に得ていた事例。疑わしい2名に対し、ヒアリングを実施しつつ会社・自宅の両パソコン、携帯電話、クラウド上データを調査。データ数が膨大であったものの、フォレンジックによる手法で信頼性を損なわずコストも抑えた調査を実現。
※参照元:アスエイト・アドバイザリー公式HP(https://asueito.com/advantage/#casestudy-section2)
テレワークという新たな課題に対して、ビジネスの安心・安全確保に取り組む必要があり導入。テレワークによって生じるリスクのマネジメントと、診断によってニューノーマルな働き方に貢献。
※参照元:セキュアワークス公式HP(https://www.secureworks.jp/resources/cs-bank-of-yokohama)
数百台の端末を対象に、解析ツールでの分析を行って攻撃ルートを可視化し、マルウェア感染の被害端末を特定。漏洩情報が売買されていないかも調査。その結果、情報漏洩が起きていた端末が判明し、ダークウェブにも情報が流れていたことが明らに。
※参照元:FRONTEO公式HP(https://legal.fronteo.com/casestudy/case2/)