PCやスマートフォンの使用が急速に拡大している中で、その重要性を増しているフォレンジック調査。このページでは、そのフォレンジック調査について、どのような手順で行われ得ているのかを解説します。
まずは、事前にヒアリングします。
何が起きたのか、なぜ起きたのか、いつ起きたのか、などなど、現時点で把握できる情報を当事者からヒアリングします。
そして、ヒアリングで得た情報をもとに、何を優先して解析・分析するのかの判断を行います。このステップを適切に行うことで、無駄なコストを省き迅速に調査を進めることができます。
続いて、証拠保全を行います。
調査中に隠蔽のためにデータを書き換えたり削除したりしてしまうことがあります。そうした証拠隠滅行為を無力化するために、調査を行う前にデータを保全します。直接対象物を解析するのではなく、ここで保全したデータを使って、解析・分析を行なっていきます。
続いて、削除されたデータの復元を行います。
データを保全する前に、あらかじめ証拠隠滅のためにデータが削除されていることがあります。メールの送受信記録やインターネットの閲覧履歴など、様々なデータを復元していきます。
復元されるデータが全て証拠隠滅のために削除されているわけではないにしろ、都合の悪いデータは削除をすることが多いので、復元をすることで調査に重大な情報が出てくることが多いのです。
そして、いよいよ最初に決めた優先順位に則って、データの解析・分析をしていきます。現存する情報と復元した情報を照らし合わせて、何が起こったのか、どうやって行われたのか、さらに他の関連人物、事物がないかなどを徹底的に調査していきます。
情報量が膨大であり、その中から証拠を見つけ出すのはかなり難しいことではあるが、おおよそ1〜2週間をかけて行われることが一般的です。
最後に、解析・分析を経て得られた結果をもとに調査報告書の作成を行います。
事件の詳細がどのようなものであったのかが報告され、その上で今までのフォレンジック調査の経験から、どのような再発防止策を取れば良いのかの提言も行います。
このように、フォレンジック調査は、ただ解析するだけではなく、様々なステップを経て、行われています。
これらを全て自分の会社で賄うことは厳しいものがあるので、専門の会社に調査を依頼することが好ましいと言えます。